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看護師も訴えられる!
医療事故の判例と裁判の内容

看護師が起こした主な医療事故

看護師の医療事故をまとめているサイトです。
看護師不足が原因ということもあり、看護師による医療事故は増加傾向にあります。

主な医療事故としては、

  • 移送、移動、体位変換
  • 注射、点滴などの与薬
  • 処置(主にガーゼ遺残)
  • 医療機器の取り扱いミス
  • チューブ・カテーテル

があげられます。

尚、日本看護協会ではホームページ上に年度毎の医療事故の概要を掲載しています。
また、日本看護連盟のサイトでは医療事故の詳細を知ることができます。

以下に一部を抜粋し掲載いたします。

裁判の判例と損害賠償額

病院、医師だけでなく、看護師個人が訴えられる可能性もあります。
以下に病院だけでなく看護師本人が訴えられた判例を記載いたします。

薬剤の取り違えの裁判

死亡した患者は、慢性関節リウマチ治療のため入院していたが、左中指滑膜切除手術を受けることになった。

医師の指示により看護師は当該患者に対し点滴器具を使用して抗生剤を静脈注射。

留置針の周辺で血液が凝固するのを防ぐため、引き続き血液凝固防止剤であるヘパリンナトリウム生理食塩水を点滴器具を使用して注入することになる。

看護師は保冷庫から注射筒部分に黒色マジックで「ヘパ生」と記載されたヘパリンナトリウム生理食塩水10ミリリットル入りの無色透明の注射器1本を取り出して処置台に置いた。

ここで看護師は、他の入院患者に対して使用する消毒液ヒビテングルコネート液を準備する。
無色透明の注射器を使用して容器から消毒液ヒビテングルコネート液を10ミリリットル吸い取り、この注射器を先ほど準備したヘパリンナトリウム生理食塩水入りの注射器と並べて処置台において置いた。

看護師は、注射器の注射筒部分に黒マジックで書かれた「ヘパ生」という記載を確認することなく、消毒液ヒビテングルコネート液入りの注射器であると誤信。

「6、E様洗浄用ヒビグル」と手書きしたメモ紙をセロテープで貼り付け、消毒液ヒビテングルコネート液入りの注射器をヘパリンナトリウム食塩水入りの注射器であると誤信し、これを抗生剤とともに患者の病室に持参した。

看護師は患者に対して点滴器具を使用して抗生剤の静脈注射を開始。
消毒液ヒビテングルコネート液入りの注射器を床頭台の上に置き、他の患者の世話をするためその場を離れた。

看護師から抗生剤の点滴が終了した旨のナースコールに応じて赴いた別の看護師が抗生剤の点滴終了後に患者の床頭台に置かれていた消毒液ヒビテングルコネート液入りの注射器をヘパリンナトリウム生理食塩水の注射器であると思い込み投与した。

その後に患者の容態が急変。
連絡を受けた医師の指示により、血管確保のための維持液の静脈への点滴が開始されたが、維持液に先立ち点滴器具内に残留していた消毒液ヒビテングルコネート液の全量を体内に注入させることになった。

患者は消毒液ヒビテングルコネート液の誤投与に基づく急性肺塞栓症による右室不全により死亡した。

判例内容
点滴を準備した看護師 禁固1年、失効猶予3年
投与した看護師 禁固8ヶ月、執行猶予3年

誤訳注射の判例

薬剤師は、ブドウ糖650cc、3%ヌペルカイン溶液100ccなどを調剤した。
ヌペルカインは薬事法上劇薬とされ容器に赤枠赤字で品名と劇の字を記載した標示紙を貼付しておかなければならない。

しかし、ブドウ糖注射液と同じように100cc入りのコルベン容器に入れ、ブドウ糖注射液と同色同型の標示紙に青インクで「3%ヌペルカイン」と記載しただけであった。

この容器をブドウ糖注射液在中のコルベン容器数本とともに、同じ滅菌器に入れて翌日まで放置した。

翌日、同薬剤科に勤務する事務員が滅菌器から前記コルベンを取り出して、薬剤室格納棚に整理していた。

これをみても薬剤師は前日ヌペルカイン在中のコルベンとブドウ糖注射液在中のコルベンを同一滅菌器に入れたことを忘れていたため、事務員になんら注意も与えなかった。

事務員は、同日ヌペルカイン在中のコルベンをブドウ糖注射液在中のコルベンと信じ、ブドウ糖注射液のコルベンとともに薬剤科事務室に運び、ブドウ糖注射液の交付を求めてきた看護師(A)にブドウ糖注射液として交付した。

看護師(A)はそれを同病院内科処置室の処置台へ運んだのち、そのコルベン在中のものがブドウ糖注射液ではなく3%ヌペルカインであることを確認したため、これを区別して処置台の隅においた。

同病院の当時の看護師(B)は、医師の処方箋などの指示に従って、入院患者3名にブドウ糖の注射をしようとしたが、同処置台にあった3%ヌペルカイン100ccコルベンに何の注意も払わないで、これをブドウ糖注射液と判断。

20cc注射器3本に詰め、事情を知らない他の看護師とともに患者2名に注射してヌペルカイン中毒によって死亡させるに至った。

薬剤師、事務員、看護師(B)が業務上過失致死罪(刑法211条)により起訴。
薬剤師、事務員については無罪となったが、看護師(B)のみ禁固10月(執行猶予2年)の有罪判決となった

判例内容
薬剤師 懲役10ヶ月
事務職員 罰金3,000円
看護師(B) 禁固10ヶ月、執行猶予2年

その他の看護師の過失が認められた判例

心拍数モニターのアラームに気がつかなかった看護師の過失
患者は事故当時、人工呼吸器を装着していなかったが気管切開して装着していたカニューレから呼吸を行っている状態であった。

看護師の判断で心電図・心拍数および呼吸数が表示されるモニターを装着。
しかし、カニューレが抜けかけて瞳孔が散大し、呼吸停止の状態で看護師に発見された。

このとき心拍数モニターのアラームは鳴っていたが、およそ10分の間看護師は気付かなかった。
患者は事故後、意識を回復することはなく翌年に死亡した。

看護師にはより早期にモニターのアラームに対応すべき注意義務の違反があったなどとして損害賠償が請求された判例です。

同じ内容として、夜間にナース・ステーションにアラームが鳴った際に看護師等が不在のため30分放置し、患者が呼吸不全により死亡。

患者の呼吸管理上に過失があったとされた判例もあります。
ナースコールに関しては、対応の遅れで看護師の過失が認められた判例もあります。

  • ナースコールを押したが応答がなく墜落分娩し後児が死亡
  • ナースコールを発見できずに約30分後に看護学生に発見された

看護師が自分の身を守るために必要なこと

看護師による医療事故は確かに不注意という事もあるでしょう。
また、ミスが許されない仕事と言われますが、果たしてこの世の中にミスをしない人間がいるでしょうか?

少なくても私はみたことがありません。
だからこそチーム医療で防ぐという事が重要になってくるのではないかと思います。

あなたの病院はどうでしょうか?
しっかりとチーム医療ができていますか?

病院スタッフ間の人間関係、働く側の労働環境など様々なことが根本の原因です。

医療事故の危険度

医療事故の危険度を表す指標として残業時間および交代勤務、夜勤が密接に関係しています。

特に以下の勤務状態の看護師は注意すべきです。

  • 勤務間の休憩時間が短い病院
  • 夜勤時間が16時間以上ある病院
  • 毎月の残業時間が30時間以上+夜勤がある

また、「いつか医療事故を起こすかもしれない」という自覚症状がある方は夜勤時には注意が必要です。

ある研究によると睡眠のとれていない夜勤時の状態は、酒気帯び状態よりもミスが多くなる状態にあるそうです。

病院が「増員をしない」や「残業の改善をしない」なら転職も検討すべきといえます。
転職先を探す場合は、求人サイトで必ず残業時間を把握するようにしてください。

尚、残業時間を確認するときに注意すべきことは「所属する科」の残業時間です。

ハローワークなどの求人票に掲載してある平均残業時間は「職員全員」の平均です。

そのため参考になりません。
「看護Roo!」や「ナースではたらこ」など実態が分かる求人サイトを使うと良いですよ。

看護roo

求人サイトの中で最も病院情報が分かるサイトです。
電カルの有無、院内の設備など人間関係以外のことも分かります。

残業時間、有給休暇や育児休暇の取得率、休日出勤の手当や寮(マンションやアパート)の間取りや写真などを独自レポートして教えてもらえます。

人間関係では院内の雰囲気や働く看護師の声、看護部長の性格や経歴も教えてもらえます。
また希望をすれば働いている看護師さんと話をさせてもらえる機会もつくってくれます。

ナースではたらこ

求人サイトの中で最も満足度の高いサイトです。
よくある内部調査ではなく外部機関の調査で3年連続1位です。

もちろん病院情報も調査して「ナースではたらこ独自のレポート」にまとめてくれます。
24時間連絡可能な社内体制や最大10万円のお祝い金制度など様々なサービスが人気です。

個人的には働きながら”早く転職したい”という人に最適だと思います。
コンサルタントがとにかく早くスピーディーに対応してくれます。

人によっては”早すぎる!”と感じることもあるので、事前にどれぐらいのペースで転職をしたいかコンサルタントに言っておくと良いですよ。

医療事故の保険

万が一のためにも保険には加入しておくべきです。
加入している方も多いと思いますが「看護職賠償責任保険」と呼ばれるものです。

保証内容として、「対物補償」と「初期費用」、「争訟費用」となります。

対物賠償
患者さんの持ち物を誤って破損してしまった場合にでる保険。
補聴器、時計、義歯、メガネなどの他に院内備品を壊した場合にも適用されます。

初期対応費用・争訟費用
事故が発生した場合、事故についての調査をしたり、被害者にお見舞いを支払ったりするための費用がかかります。

訴訟になると弁護士費用もかかりますので、それに関わる保険です。

もしものために必ず加入しておきましょう。
保険は「東京海上日動」や「損保ジャパン」、「三井住友海上火災保険」などがあります。

看護協会経由や病院経由の方が安くなると思いますので、一度確認されると良いですよ。

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判例について

医療事故の判例については日本看護協会や日本看護連盟のサイトで詳しい内容が確認できます。

病院が訴えられる判例、医師・看護師が訴えられる判例などが分かります。

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